エレクトロニックス・サウンドや独自のキャラクターで冷たい感じのするグループに思われがちであるが、実際は叙情的、感情的で生の人間くさささえ感じられるグループで、このアルバムもアニーの感情のこもったボーカルとディブの音作りが合いマッチしたポップ感覚あふれるアルバムである。
2.「キング&クイーン・オブ・アメリカ」ではタワー・オブ・パワーのホーンセクションを加わって軽やかで心地よいサウンドが印象的です。
ポップ感覚あふれるいかにも元気が出る曲っていう感じにしあがっている。
8.「シルビア」ではアニーのボーカルとハーモニー、ちょっと無機質にも聴こえるキーボードとの掛け合いで不思議な雰囲気をかもし出した曲もあり、音楽の幅をうかがせてくれます。
10.「ホエン・ザ・ディ・ゴーズ・ダウン」では本当に情緒豊かに聴けるエレクトニックなんてまったく感じられない、スケールの大きさを感じられるセミバラードを聴かせてくれる。
クールなグループと受け止められることが多いが、ほんとうは、人間味のあふれる歌詞とボーカル、そしてそれを包み込むサウンドは他のグループにはない音楽的センスのあるグループではないでしょうか。
前作の「サヴェイジ」では初期のころを思わせるエレクトロニック・ポプサウンドのカタチを復活させたような、らしいといえばらしいアルバムで「ベートーベン」のヒットを生んでいる。
音の作り、響きは変化にとんでいるがその作り方はほとんどバック・メンバーを起用せず、デイブ・スチュアートがほぼ単独で制作されたのに対し、この「ウイ・トゥ・アー・ワン」は1986年のアルバム『リヴェンジ』にも参加していたメンバーを中心に編成、バンドスタイルをとった作品でもある。
アルバムタイトルでもある1曲目「ウイ・トゥ・アー・ワン」からやはりあきらかにバンドスタイルを思わせる、生生しいと言うか無機質なサウンドは感じられず、ポップな温かみさえ感じられる曲となっている。
パワフルで、感情豊かな曲がギュッとつまったアルバムではないでしょうか。