
1972年リリース、ジェスロ・タルの「ジェラルドの汚れなき世界」
8歳の天才少年による社会批判的な詩をベースにしたというコンセプトアルバム。ということだが本当か、冗談か、ウソか、マコトかわからないような不思議な雰囲気のあるジェスロ・タルの5枚目のアルバムである。
プログレッシブ・ロックのなかでもフルートを取り入れているのはジェスロ・タルぐらいなものではないでしょうか。ジャンルはプログレでも明るく分かりやすい部類に入るサウンドでしっかりとした音作りをしているなと感じられるアルバムです。
ピンク・フロイド的な悲壮感音楽を好むひとにはもの足りなさを感じられると思うがアコースティック・ギター、キーボードの音もなんか職人技と言おうか卓越した演奏力を聞かせてくれるし、タイトル曲のみだが見事な構成力で飽きのこないサウンドで引き込まれてしまう。
時折、見せるジャズ調な音楽、EL&P、ジェネシスを思わせるようなサウンドあり、とイアン・アンダーソンのシャレたボーカルとフルートをフィーチャーしながらも独自の音楽を聴かせてくれる作品である。